2019年5月16日木曜日

慢性的な孤独を覚える人が伝染病レベルで増加

社会的つながりが弱まり慢性的な孤独を覚える人が伝染病レベルで増加しているという指摘




人は社会を形成して生活する動物であり、自分だけではなく他人と関わり合うことを必要とします。しかし、近年は社会的つながりを喪失して慢性的な孤独にさいなまれる人が「伝染病の流行と同じレベル」で社会全体に増えていると、海外メディアのSmartBeriefが指摘しています。

America's loneliness epidemic: A hidden systemic risk to organizations | SmartBrief
https://www.smartbrief.com/original/2019/05/americas-loneliness-epidemic-hidden-systemic-risk-organizations


生物学的見地から見ても、人間にとって第一に必要なのは社会的つながりです。これまでの研究によって、社会的つながりを断つ「社会的断絶」は「認識能力の低下」「喫煙やアルコールの摂取量の増加などの自己管理能力の低下」「低レベルの自己評価による健康状態の悪化」「薬物の乱用、うつ、自殺念慮」を招く可能性があることが指摘されているとのこと。

また、社員の孤独感が増すと、タスク、チームの役割、リレーショナルパフォーマンスが低下するという研究も報告されています。一方で、組織内の立場が上になるほど社会的つながりが強くなるのかというと、決してそうとは限らないとのこと。2012年に行われた調査によると、最高経営責任者(CEO)のおよそ半数が寂しさを感じていて、61%が業績の妨げになっていると考えているそうです。


そして、大手医療保険会社のCignaは「慢性的な孤独がアメリカで流行病のレベルに達したというデータ」を報告しました。このデータは18歳以上のアメリカ人2万人以上を対象に行われた調査によるもので、全体の46%が多くの時間を1人で過ごしていることがわかったとのこと。また、全体の27%は「自分の理解者はめったにいない」あるいは「まったくいない」と答え、全体の43%が「他者と関係を築くことに何の意味もない」と感じているそうです。また、特に孤独を訴えていたのは18~22歳という若い世代が多かったとのこと。

SmartBeriefは、「これらのデータは孤独を感じる人が流行病レベルで増えていることを示している」と述べ、社会的孤立・孤独と潜在的公衆衛生との関連をテーマにした分析とも一致する内容だとしています。(PDFファイル)青少年に関する研究では、「スマートフォンやPCなどの電子機器に時間を奪われ、人と人との関わりにかける時間が短くなると同時に、幸福感も低下する」といわれていて、AIの登場によって日常生活の中で機械がこれまで以上に大きな役割を果たすと予想される未来では、他者とつながりあう能力はさらに減少するかもしれないとSmartBeriefは予測しています。


会社や組織は社員に対して積極的な参加とチームワークを促進し、ストレスを最小限に抑え、ミスを減らすための構造と心理的・社会的支援を提供するなど、社会的つながりの文化を発展させて維持させることを意図的に行うべきだとSmartBeriefは述べました。

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