2019年5月6日月曜日

美奈子は“絶対的な味方”を見つけたか 波乱の『ザ・ノンフィクション』

ビッグダディから5年、美奈子は“絶対的な味方”を見つけたか 波乱の『ザ・ノンフィクション』
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 大家族の母・美奈子さんの出産と夫婦模様を取り上げた『ザ・ノンフィクション』(フジテレビ系)が波紋を呼んでいる。
 2006年から2013年まで通算20回も放送された人気番組『痛快!ビッグダディ』(テレビ朝日系)から、タレント化した「ビッグダディ」こと林下清志さんと、番組後半でビッグダディの妻だった美奈子さん。二人は離婚し、美奈子さんは2015年5月に元プロレスラー・佐々木義人さんと再婚、2017年4月に第七子となる六女を、そして昨年12月には第八子となる七女を出産した。
 『ザ・ノンフィクション』では、「新・漂流家族」と題し、美奈子さんの現在の家族に密着。美奈子さんが七女を妊娠・出産した2018年の出来事で、主人公は大家族の父となった義人さん。3日放送の前編では、美奈子さんと義人さんが子育ての価値観の違いで衝突し、義人さんは思春期の長男・長女との関係に悩んでいた。
正義感が強くきれい好きな義人さんは、子どもたちが整理整頓しないことを巡って美奈子さんと喧嘩になり、「離婚」を言い出し実家に帰った。ほどなく戻ってきたものの、七女妊娠中だった美奈子さんはやり切れない様子だった。苦悩する一方で、夫婦喧嘩になると「俺の家だぞ」と口走ることもある義人さんに、「モラハラ夫」ではないかと感じた視聴者もいたようで、批判的な感想などがSNSに多く投稿されている。
 さて、10日放送の後編では、義人さんが再び家を出た。仕事・家事・育児に追われ、几帳面過ぎる性格の義人さんは、ドアを閉めなかったり、食事の時間になってもすぐに応じない子どもたちを厳しく叱責。自分の気持ちが空回りし、子どもたちと良い関係が築けない状況が堪えたようだ。家に戻っていた長男も、再び家を飛び出してしまった。
 美奈子さんは、そんな義人さんとの関係に限界を感じ、涙を流す。
 「こうやって途中でお父さんになって上手くいく人もいるよね。それはちゃんと母親のことを信用して任せてくれるからだと思うの。(義人さんは)任せてくれないの、全然。俺が、俺が、俺が、俺が……みたいな。俺の言うことを聞け!みたいになっちゃうから。言ってこなかったけど、もうそろそろ言わなきゃいけないのかなって思ってる。ちょっと無理だよって。難しいんじゃない? って言おうと思ってる」
 義人さんもまた、追い詰められていた。番組スタッフが義人さんの会社を尋ねると、義人さんは「子どもですよ、子どものこと。考え方の違い。俺がね、いないほうがいいって思ったから(家を)出てきただけですよ。別にいいんじゃないですか、俺がいなくても、上2人(長男と長女)がいるんだから、助けてもらえばいいんですよ。(自分だって)仕事やってさ、色々考えてやってんの、できることやってんの」と投げやりな口調で語った。
 そして、ディレクターから「今の時期だけ少し我慢してくれないか」という美奈子さんの意向を伝えられると、義人さんは激高した。
「うるせーよ、マジで。関係ねぇだろ。関係ないじゃん、お前によ。俺は俺で考えてやってんだよ。なぁ。結婚して、ずっと子どものこと考えてやってるんだ。お前にわかんのかよ、この野郎。わかんのかよ、お前によ。俺がどんな思いで結婚したかわかってるのかよ。子どものことばっか考えてるんだよ」
 「俺が何でそんだけ怒ってるか? 向こうが俺に何も言ってこないから、わかんないから俺は言ってんだろ。家のことわかってないから言ってよ。俺の気持ちなんか知ってるやつなんか誰ひとりいないよ。俺はあいつの体調のことわかってるよ。だけどあいつに何言っても言い返されるから、それは腹立つだろうがよ。俺は家族のこと思って、お前(美奈子さん)のこと思って言ってやってるのに、全部言い返されんだよ。仕事こんだけ朝早くから夜遅くまでやってて、家のことはよろしく頼むよって思っちゃうよね」
 前回の家出も、育児の価値観の違いによる口論がきっかけ。義人さんは、妊娠中の美奈子さんに負担をかけさせないためにも、年長の子どもたちには自律した生活態度で自分のことを自分でやってほしい、との思いがあるようだ。ただ、美奈子さんとしては、「自分でやったほうが早い」「子どもの意志に任せたい」という気持ちがあり、すれ違っているのかもしれない。
 美奈子さん自身、彼女は彼女で「我慢してきた」と感じているようだ。こう吐露する。
「いきなりお父さんになって、これだけの人数を養おうって頑張ってくれてるから、私もそれに応えようと思って我慢してきたわけ。(でも)全部が全部(義人さんの)言う通りにしてたら、子どもが自分の意見も絶対言えなくなるし、自分ってものがなくなるし」
 「私は親にさあ、すごいやられたわけよ。お母さんが掃除が苦手な人で、お父さんは全部、私と弟にやれって言ったわけ。それで、やれてないと、生ごみを部屋に巻き散らかされたこともあったわけよ。すごい私、よっちゃん(義人さん)見てるとお父さんを思い出すの。すごい嫌な思い出なの」
 「間違ったことは間違ってるって、夫婦でも絶対言うって決めてるから。でもそれが原因で離婚って言われるんだったら仕方ない」
 美奈子さんの半生を綴った自伝本『ハダカの美奈子』(講談社)にも、中学の頃から父親にDVを受けていたとあった。美奈子さんは、会社から帰宅した父親に「今から家中の掃除をしろ」と命じられ、グーで殴られたり、ムチで叩かれたりといった暴力を受けたこともあったという(ただし同書によれば、父親は、母親と弟には手を上げなかったそうだ)。抑圧的な家庭環境にいた美奈子さんは、やがてヤンキーになり、高校を中退し、家を出たい一心から十代半ばで妊娠・出産、そして結婚するが、結婚後は夫からのDVに苦しんだ。
 彼女なりに、「子どもたちには自分と同じ思いはさせたくない」という思いがあるらしい。
 その後、夫婦間でどんなやり取りがあったのかは示されなかったが、どうやら夫婦関係は修復したようだ。3週間後、再び番組スタッフが義人さんの会社を訪ねると、義人さんは穏やかに応じた。
 「俺がぶっちゃけ、疲れてたのもあるし、美奈ともうまくいってなくて、色んなことが重なって爆発しちゃった」
 「俺から今あの家族取ったら、これから生きてく意味ないと思っているし、アレは本心ではないし。だけどああいうのはもうなくさないとと思って、反省してます」
 美奈子さんも「私寝たら忘れる人だからね。大丈夫、簡単な人だから」「(義人さんは)すぐ火がついちゃうから、その瞬間は起こるんだけど、後からちゃんと冷静に考えられる人ではあるのかな」と、落ち着いた様子だ。
 しかしこの離婚騒動から4カ月後の11月、翌月に迫った美奈子さんの出産を巡って、夫婦は検診後に車内でまた大喧嘩となった。無痛分娩希望だったが高脂血症のため断念せざるを得ない美奈子さんと、赤ちゃんの安全を一番に考えてほしくて美奈子さんが「ワガママ」に見える義人さん。二人は、「無痛なんかどうでもいいんだ」「黙れ。家から出てってくれ」「誰でも痛いんだよバーカ」「お前は経験してねーよバーカ」「経験できねーよバーカ」等々の口論の末、美奈子さんは車を降りると言い、コンビニの駐車場で下車。
 「タクシーで帰るから先帰って」と義人さんを拒絶していた美奈子さんだったが、義人さんは「多分あれね、手を引っ張ってほしいんだよ」と察し、五女と一緒に美奈子さんを迎えに行く。帰宅後も美奈子さんは番組ディレクターに「無神経すぎるのがイラつく」「(赤ちゃんのことは)私が一番心配している。自分のお腹の中にいる子だから」と泣きながらこぼしたが、夫婦はすぐに仲直りした。激しい喧嘩を繰り返し、口汚く罵りあったとしてもすぐに許せるほど慣れてきたのかもしれない。ただこの時、車に一緒に乗っていた五女は、美奈子さんが車を下りた時、泣いていた。少なくとも子どもの眼前で互いを罵りあうのは止めたほうがいいだろう。
 この日の夕食では、義人さんが美奈子さんの出産に備え、子どもたちに「○○は○○のことを頼む」「○○はなるべく自分のことをやってね」と団結を呼びかけていたが、家を出た長男、および義人さんと距離を置く長女の姿はなかった。
 実家に戻る気はないのかと番組スタッフに聞かれた長男は「ないですね」「ひとりのほうが気が楽」「縛られたくない」と答え、美奈子さんの出産についても「もうどうも思いません」「今から産まれても自分には関係ない」とすげない。そればかりではない。長男は「(家族とは)もう関わらないつもりで縁も切ろうと思います。なんかもう面倒くさいので」とまで口にしていた。
 だが義人さんは、「長男の気持ちは分かる。今まで色々我慢してきたのもあると思う。ちゃんと就職して一つのことをやり続けてほしい」と語り、もう無理に連れ戻そうとはしない。美奈子さんも、いつか長男が親になり「途中から親になるってこんなに大変なんだな」と気づくときが来たら、義人さんと和解できるのではないかと考えている。両者とも、今は長男とわかり合うのは難しい、と現実的な結論を出しているようだ。
 そうして美奈子さんは無事、第八子となる七女を出産。義人さんは「本当に頑張った」と泣いて喜び、美奈子さんに「ありがとう」と声を掛ける。そして「俺が頑張るしかない、仕事も子育ても、美奈子に対しても、喧嘩いっぱいしてきちゃったけど。もう俺はいい加減本当に、本当かよと思われるかもしれないけど、家族のために生きていく」と決意を固めた。
 一週間後、退院した美奈子さんと七女を、義人さんと子どもたちは、部屋を飾りつけして迎えた。義人さんから結婚指輪を、子どもたちから寄せ書きをプレゼントされた美奈子さんは喜びの涙を見せる。そこに長男と長女の姿はなかったが、エンディングで義人さんは「父親だと認めてもらえるよう、色々な問題を解決して頑張りたい」と語っていた。
 義人さんとの結婚は美奈子さんにとって4回目(3人目)。子ども時代は父親から虐待を受け、最初の夫からは暴力を受けてシェルターに逃げ、ビッグダディこと林下さんとの結婚生活ではコミュニケーションがうまくいかず離婚に至った。『ハダカの美奈子』に記されていた半生からは、男たちに翻弄されて生きてきたことがうかがえたが、今回『ザ・ノンフィクション』が密着した美奈子さんは、義人さんと互いに対等な関係を築くべくぶつかっているように見えた。そして義人さんが、美奈子さんの“絶対的な味方”であることも、伝わってきた。意見が対立し壮絶な口喧嘩をしても、自己中心的な理由からの喧嘩ではないし、暴力に発展するわけでもなく、最終的には互いの気持ちを慮っているように感じたのだ。新生児の世話で心身ともに大変であろうが、居心地の良い家庭を築いてほしい。

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