「子どもの相手をしてくれない!」「家事をやってくれない!」このように動いてくれない夫に対して不満を募らせている妻は少なくないようです。夫が動いてくれない理由とは…?ベストセラー作家でコミュニケーション改善専門家の松橋良紀先生にお話を伺いました。
「私がご飯の用意をしているときぐらい、子どもの相手をしてくれたらいいのに、テレビやスマホゲームばっかり…!」
「私も仕事しているんだから、先に帰っているのなら洗濯物を取り込んだりしてくれたらいいのに、なにもやってくれていない…!」
このように、「動いてくれない夫」に対して不満をお持ちの女性は少なくありません。
夫へのこうした不満を劇的に変える方法が2つあります。
『男女間の違いについて理解を深めること』、そして『コミュニケーションを変える』ことです。
動いてくれない夫への不満の解消法について、ベストセラー本『「一生」の自信を「一瞬」でつくる本』の著者、松橋良紀先生にお話を伺いました。
「夫が動いてくれない!」…その驚くべき理由とは?
コミュニケーション改善専門家である松橋先生は、これまで主婦の方の相談もたくさん受けてきました。
松橋先生、「子どもの相手をしてくれない」「家事をやってくれない」など、夫に対して不満を募らせている妻は多いのですが、なぜ夫はこちらの思う通りに動いてくれないのでしょう?
そして、そんな動いてくれない夫への不満は、どう解消したらいいのでしょう?
松橋先生「以前、『夫が子どもの相手をしてほしいときにしてくれないのがとてもイライラする』という不満を持つM子さんという女性が相談にいらっしゃいました。
そのときの会話を一部ご紹介します。
松橋:「M子さん、ご主人に『今、私は手が離せないから、子どもの相手をしてよ』と頼んでますか?」
M子:「頼んでます。」
松橋:「では、ご主人は、M子さんが頼んでもやってくれないんですね?」
M子:「いえ、頼んだらやってくれます。」
松橋:「え?ご主人は頼んだらやってくれるんですね…?じゃあ、頼めばいいんじゃないですか?」
M子:「そんなの、いちいち頼まなくても、私が忙しくしているときぐらい空気を察して子どもの相手をするのが普通じゃないですか。言わなくてもわかるはずです。」
松橋:「なるほど。では、M子さんはしてほしいことをしっかり伝えていないのに、ご主人に察して動いてほしいというわけですね?」
M子:「いや、私なら、それぐらい言われなくてもやりますよね。それに、普通なら、毎日言われ続けてたら察して当然ですよね。主人は私のことを愛していないから、無関心だし、ああいう態度を取るんだと思います。」
夫に動いてもらえないという場合、この女性のように、『これぐらい言わなくても分かるだろう』あるいは『これぐらいは察してくれるべき』という思い込みから、正確に頼んでない場合がとても多いです。
言われなくても場の空気を察して相手のために行動する…。
これは女性には難なくできることかもしれません。しかし、男性にはとても難しいことなのです。
男女で望むものと提供できるものは、180度違います。
そこは、男女間の『性差』として、争いを生まないためにも理解しておく必要があります。」
松橋先生いわく、女性は、男性に対して「これぐらい言わなくてもわかるだろう」という思い込みを持っていることが、大きな問題だとのこと。
要望を正確に伝えず、動いてくれない相手に対して不満を募らせている症状…。
これを松橋先生は著書で『私の考えていることはわかってるはず症候群』と名づけています。
“パートナーシップの悩みでは定番の症状”だと書かれています。
『私の考えていることはわかってるはず症候群』の女性は、「私のことを察してくれない=私を大事にしてくれていない、私を愛していない」と曲解します。
そして、『女としての自信』をなくしてしまう人も多いそうです。
実際はそんなことはまったくなく、あるのはただ男性と女性の違い、『性差』だけなのです。
夫に動いてもらう伝え方3つ
では、性差を乗り越え、夫に動いてもらう効果的な伝え方というのはあるのでしょうか?
松橋先生にアドバイスを伺うと、次の3つの方法を教えていただきました。
1.感情的にならず、要望をはっきり冷静に伝える
男は言われる前に察すること、空気を読んで行動することは苦手ですが、『指示・命令・要望』を与えられたら応えようとします。
なので、夫にしてほしいことがあるなら、要望をはっきり伝えること。
そして、伝えるときは、感情的にならないようにすることが大切です。
怒った状態のままで伝えてしまうと、男性側の立場からすると「なにをいきなり怒ってるんだ⁉」と混乱してしまいますし、「なんか機嫌が悪いな」「八つ当たりしてるのか」などと勘違いされて、その場しのぎの対応をして終わりということになります。
言い争いに発展してしまうこともよくあります。感情的になると、真意がなかなか伝わらないのです。
2.目標を与える
伝え方としては、ただ単に「今手が離せないから、子どもの相手をして」「洗濯物をたたんでおいて」と言うのではなく、“目標”として与えるとなおいいですね。
例1:子どもの相手をしてほしい場合
<伝え方>
「子どもが集中して一人で遊べるような遊びを考えて、教えてあげてくれない?」
「子どもが集中して一人で遊べるような遊びを考えて、教えてあげてくれない?」
夫にとって『子どもが一人遊びできるようになるとラクになる』というメリットが見えるので、やる気が出ます。達成感もあります。
例2:家事をやってほしい場合
<伝え方>
「夜の9時までに洗濯物を取り込んでたたんでおいて」
「夜の9時までに洗濯物を取り込んでたたんでおいて」
男は期限がないといつまでもやらない傾向が強いが、明確に期限を与えられるとスイッチが入ったようにやる気が上がります。
3.共通の目標を作る
その他、家族の“共通の目標”を作るというやり方もおすすめです。
『家族(夫婦)がチームとなって共通の目標に向かって取り組む』という姿勢だと、より楽しんですることができます。家族の絆も深まるでしょう。
例1:子どもの相手をしてほしい場合
<目標>
- 『来月の子どもの将棋スクールの体験会までに将棋のルールを覚えさせる』
- 『将棋の駒の動かし方クイズを毎日やって、子どもの記憶力を鍛える』など
<伝え方>
「夜は私が片付けで忙しいから、この時間はあなたが子どもに教えてあげてね」
「夜は私が片付けで忙しいから、この時間はあなたが子どもに教えてあげてね」
例2:家事をやってほしい場合
<目標>
- 『夜の9時以降はお互い自由にくつろぐ時間にする』
- 『夜9時に毎日家族でウォーキングする』など
<伝え方>
「今日は夜9時までにすべての家事をこなせないから、洗濯物を手伝ってね」
「今日は夜9時までにすべての家事をこなせないから、洗濯物を手伝ってね」
*
夫婦の問題は、正しくアプローチすれば、解決するものがほとんどです。
松橋先生の新刊『「一生」の自信を「一瞬」でつくる本』には、男女間の性差について理解を深め、夫婦関係を良くする方法についても述べられています。
夫とのコミュニケーションがうまくいかず、自信をなくしている女性にも、自信を取り戻すきっかけになるかと思います。
ぜひご覧になってみてください。
【取材協力】松橋 良紀(まつはし よしのり)
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