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フィリピンのパンパンガ州にあるマバラカット・シティ大学で、ここ2週間、毎日教員室のドアの前にいる野良犬の姿が多くの人々の心を打った。
その犬は、ドアを引っ掻く仕草を繰り返し、教員室から誰かが出てくるのをひたすら待っていたのだ。
その誰かとは、この大学に勤めていた男性教授である。彼はこの犬をたいへんかわいがっており、約4年間、ほぼ毎日この犬に食べ物をあげたり撫でたり遊んであげていたのだ。
だが教授は二度と教員室のドアから出てくることはなかった。彼は2週間前に心臓発作で亡くなってしまったのだ。
事情を知らない犬は彼が来るのをドアの前でひたすら待つ。今日は?今日はいる?と待ち続けていた。
4年間教授がかわいがっていた野良犬
かつて、その教員室にはカルメリート・マルセロ教授がいた。彼は野良犬を、ブーボーイ(Buboy)と名付けで、4年間とてもかわいがっていた。マルセロ教授の同僚クリスティーナ・デマフェリックスさんによると、ブーボーイは朝マルセロ教授がやって来るのを校門前で待ち、教授が教室を移動する際にもいつも後をついて回っていたという。
昼食の時間には一緒にランチを食べ、1日が終わると、ブーボーイはマルセロ教授が家に帰るのを校門から見送るという毎日を過ごしていたそうだ。
マルセロ教授は、自分の教える授業がない時でも学校に来てはブーボーイの様子をうかがい、餌を与えていた。ブーボーイにとって、父親のようであり友達のようでもあったマルセロ教授は、かけがえのない存在だった。
しかし、突然マルセロ教授は学校に来なくなってしまったのだ。
二度と会えない愛する人を待ち続ける犬
体調を崩して2週間ほど入院したマルセロ教授は、その後心臓発作で帰らぬ人となってしまった。5月18日のことだったそうだ。ブーボーイは、マルセロ教授に何が起こったのかわからないまま、教授が入院中もずっと教員室のドアの外で、マルセロ教授が姿を見せてくれるのを待ち続けた。
時にドアをひっかいて開けようとする仕草をみせたり、時にはじっと座り、とにかくひたすら待っている。
愛する人はもういない。犬に真実を知らせるため告別式へ
その光景を見て胸がいっぱいになったのは、大学関係者のクリスティーナさんである。「犬だって、何が起こったのかがわからなければ、心の痛みを表現することなどできない」と思い、不安やストレスを溜めているであろうブーボーイを救ってやりたいと思った。
そこでクリスティーナさんは、5月20日に行われたマルセロ教授の告別式にブーボーイを連れて行き、最後の別れを告げさせたのだ。
ブーボーイは、クリスティーナさんに抱えあげられて、マルセロ教授が横たわる棺の前で最後のお別れを言うことができた。
おそらく、ブーボーイはマルセロ教授がもう2度と戻ってこないことを察したのだろう。
今度は、まるでマルセロ教授に寄り添うように棺の前に座り込み、動かなくなったそうだ。その光景は、あまりにも胸を打たれるものだった。
犬は学校スタッフで面倒をみることに
クリスティーナさんが、この様子を写真と共に自身のフェイスブックアカウントに投稿すると、多くのユーザーらの心を揺さぶった。
ブーボーイにとっては、マルセロ教授は大切な家族であり、学校は家同様の存在だったのだ。
現在ブーボーイは、学校スタッフらが協力し合って世話しているという。
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