Kwangmoozaa/iStock
梅雨が明ければ、夏本番! タンクトップやキャミソールや短パンやサンダルなど、夏服の本格稼働が始まるわけだが、露わになった素肌を狙うあいつらも本格稼働する。そう!蚊だ。
フーンフーンとうっとうしいことこの上ないわけだが、よく見るとすぐそばにいる友達は別段煩わしそうにはしていない。まさか自分ばかりが標的になっている?
じつはおよそ2割の人たちは、蚊にとって特に美味しそうに見えるらしく、血を吸われやすいことがわかっている。
ここでは蚊に刺されやすい人と、刺されにくい人が存在する8つの科学的な理由を見ていこう。
1. 血液型
iStock
蚊は血液に含まれるタンパク質が欲しくて血を吸うのだが、どうやら特定の血液型を特に好むようだ。
ある研究によると、それはO型だ。一番人気のO型の人は、A型に比べて2倍も蚊にとまられることが多いという。B型はその中間だ。
また遺伝子の働きで85パーセントの人は皮膚からある化学物質を分泌しており、蚊はそれを嗅いで血液型を知ることができる。血液型にかかわりなく、この物質をたくさん分泌している人ほど蚊に刺されやすい。
2. 二酸化炭素排出量
iStock
蚊がターゲットを発見するにあたって大切な手がかりとなるのが、人の呼吸に含まれる二酸化炭素だ。蚊は「小鰐髭」という器官を使い、50メートル先の二酸化炭素でも探知できる。
このため、単純に呼吸の量が多い人――一般には体の大きい人ほど、蚊を引きつける。当然、大人と子供では大人の方が狙われやすい。
3. 運動と代謝
pixabay
もっと近い相手の場合は、汗に含まれる乳酸・尿酸・アンモニアといった化学物質や体温も獲物の場所を示す手がかりになる。
運動をしている人は、乳酸が蓄積され、体温も上昇するため、蚊の目には目立って見える。一方、尿酸などの化学物質も蚊の目につきやすくするのだが、こちらは遺伝的な部分が大きい。
4. 皮膚細菌の種類
iStock
皮膚に常在する細菌の種類や量が蚊に好かれるかどうかを左右するという研究もある。意外なことだが、細菌がたくさんいたとしても、その種類が豊富であれば、蚊はあまり寄り付かないそうだ。
足首やかかとを蚊に刺されやすいのは、もしかしたらこれが原因なのかもしれない。そこは特に細菌のコロニーが繁殖している場所だからだ。
5. ビール
pixabay
340ミリリットルのビールを飲むだけで、あなたは美味しくなる。研究では、その理由は汗に含まれるエタノールが増え、体温が上がることではないかと推測されている。
しかし、じつのところ、それらと蚊が接近しやすいかどうかとの相関は確認されておらず、ビールを飲むと蚊が引き寄せられてくる本当の理由は謎だ。
6. 妊娠の有無
pixabay
いくつかの研究が、妊婦はそうでない人よりもおよそ2倍も蚊を引きつけると報告している。その理由はおそらく、妊婦になると呼吸に含まれる二酸化炭素が21パーセント増えることと、体温がおよそ0.5度高くなることだと思われる。
7. 服の色
iStock
当たり前かもしれないが、蚊は視覚によってもターゲットを探し出す。彼らの目に特に目立って見えるのは、黒、濃い青または赤だ。だから、そうした服を着ていると、蚊に狙われやすくなるそうだ。
8. 遺伝
pixabay
蚊に好まれやすいかどうかは、血液型や代謝といった要因とは別に、85パーセントが遺伝的要因によって決まってしまっているのだという。
現状では、蚊に刺されやすい人は基本的にはその運命を受け入れる他ないわけだが、一方で、蚊に特に刺されにくい人たちもいるのは確かだ。
こうした人たちが発散している化学物質を調べて、新しい虫除け剤のヒントにしようという研究もある。
いわば蚊に嫌われるタイプの人たちが発する分子を虫除けスプレーに混ぜれば、O型や妊婦でさえ蚊と無縁でいられるようになる日が来るのかもしれない。
0 件のコメント:
コメントを投稿