2019年6月12日水曜日

地球温暖化の影響で

地球温暖化の影響で、永久凍土に覆われていたシベリアにも人が住めるようになる(ロシア・アメリカ共同研究)
baikal-2620801_640_e

 永久凍土に覆われたシベリアなど、ロシア内の北アジア地域の大部分が、21世紀後半までには人が住めるようになるそうだ。

 これは気候変動の影響によるもので、温暖化により極寒の地が人が住めるような温度まで上がり、居住区になり得るという。 

寒すぎて人が住めなかった永久凍土の大地


 ロシア領内のアジア地域はウラル地方東部から太平洋にかけて1300万平方キロに広がっている。これはロシア領の77%に当たる広大な土地だ。

 せっかくの土地であるにもかかわらず、人口という点で見れば、ロシアの人口のたった27%の人しか暮らしておらず、それも比較的気候が穏やかな南部の森林ステップのあたりに集中している。

 それもそのはずだ。この地域は永久凍土で閉ざされた極寒の地なのだから。

 ロシア、クラスノヤルスク連邦研究所のエレナ・パルフェノワ博士が言うように、これまで人間は気候の変化に応じて移住を進めてきた。

 テクノロジーが発展した現在、人はそうした環境的な制約にそれほど左右されなくなってきているが、深刻を増す温暖化によってロシアの居住環境がどのように変化するのかは、ロシア人であれば興味のあるところだろう。

lake-2985300_640_e

温暖化の影響で居住環境が改善される


 そこでクラスノヤルスク連邦研究所とアメリカ航空宇宙局の研究チームは、現在および将来の気候シナリオを利用して、ロシア内アジア地域の気候動向について調査し、21世紀中に人が住めるようになるかどうか検証してみた。

 『Environmental Research Letters』に掲載された研究では、20の一般的な循環モデルの組み合わせ(CMIP5)と2つの代表的濃度経路シナリオ(穏やかな気候変動シナリオ「RCP2.6」と極端な「RCP8.5」)を分析。

 両RCPシナリオの6月と7月の気温および年間降雨量の平均をロシア内アジア地域に当てはめてみると、それらが人間の暮らしやすさに重要とされる3つの気候指標(生態系ランドスケープポテンシャル、冬期の厳しさ指数、永久凍土面積)を改善することがわかった。

siberia-3229154_640_e

真冬の気温が3.4~9.1度上昇

 予測された気温の変化は、真冬で3.4~9.1度、真夏で1.9~5.7度ほど気温が上昇し、年間の降水量は60~140ミリ増加するというものだった。

 「RCP8.5のシナリオなら、2080年までにロシア内アジア地域はずいぶん穏やかな気候になり、永久凍土で覆われた地域の割合は現在の65%から40%まで減るでしょう」(パルフェノワ博士)

 仮に穏やかな気候変動シナリオであるRCP2.6で予測をしたとしても、暮らしやすさは15%向上し、現在の5倍の人口が暮らせるようになるそうだ。
 
 パルフェノワ博士によれば、現時点では極端なまでに寒さが厳しいロシア内アジア地域だが、将来的にはもっと暖かくなり、それによって農業の生産性が上がり、それだけ多くの人を惹きつけるようになるだろうという。

 ロシアと言えば世界で一番寒い居住区、オイミャコ村があることで有名だ。温暖化の影響でオイミャコ村ももう少し過ごしやすくなるのだろうか?


0 件のコメント:

コメントを投稿

注目の投稿

生きる喜びを・・・: 「ラブラブ度」

生きる喜びを・・・: 「ラブラブ度」 : 【心理テスト】花火でわかる! 彼氏とあなたの「ラブラブ度」 夏の風物詩といえば「花火」! 今回の心理テストでは、花火大会の会場に着いたタイミングで、あなたと彼氏の「ラブラブ度」を診断します。 ...