トルコ・イスタンブールの薬局店に野良犬が入ってきた。その犬はお手をするように自分の足を上げた。餌が欲しかったわけではない。助けを求めに来たのだ。
この薬局店を営む女性は、犬が大好きで、犬の保護活動を行っている。野良犬(地域犬)に餌をやったり、寝床を提供したりして親切に世話をしている。
困っている犬たちはここに来れば助けてくれることを知っているのだろう。この犬は、この薬局の女性なら足の痛みを治してくれると思ってやってきたのだ。その思い通り、女性は犬のケガをやさしく治療をしてくれた。
薬局経営者で薬剤師の女性、長年にわたり野良犬をケア
イスタンブールで薬局を経営する薬剤師のバヌ・ジェンギズさんは、犬が大好きで、何年か前には野良犬だった一匹の犬を救助して、現在もペットして飼っている。バヌさんは、これまでにも長年多くの野良犬たちのケアをしてきた。餌をやるだけではなく、犬たちを癒す場所を提供し、可能な限り犬たちに飼い主を見つけた。
バヌさんの経営する薬局の店先には、野良犬たちが寛げるように犬用のベッドが敷かれている。バヌさんの思いやりに溢れたその場所は、幸せが薄い野良犬たちにとってのちょっとしたオアシスなのだ。
肉球を怪我した一匹の野良犬、薬局に助けを求めてやってくる
そんなある日、バヌさんがいつものように出勤すると、一匹の犬が現れた。犬は、敷かれた犬用ベッドで寛ぐ様子も見せずに薬局のドアの前に立ち、バヌさんを見つめた。バヌさんが、犬に「どうしたの?」と声をかけ店内へ促すと、犬は近寄ってきた。
犬の肉球部分が少し切れて出血していることに気付いたバヌさんは、犬が手当てをしてほしくて自分に助けを求めているのだと知り、すぐに犬の傷口を消毒し、抗生剤を与え治療した。
バヌさんを信頼し、治療を任せる野良犬
治療を受けている間、犬は身動きせずにじっと座っていた。それは、バヌさんを完全に信用している姿のように見えた。治療後バヌさんが声をかけると、犬は感謝の気持ちを表すかのように、薬局の床に横になり、バヌさんにお腹を見せた。
バヌさんは、言葉をかけながら犬の頭やお腹を撫でてやり、犬がその後も寛ぎやすいようにと餌や水を与え、犬用ベッドを店の中へ置いて犬を休ませた。
バヌさんの犬への優しさに称賛相次ぐ
6月20日にバヌさんのフェイスブックアカウントに投稿された動画は、ユーザーらの心を溶かし、バヌさんの犬への優しさについて多くの称賛の声が寄せられた。既にペットを飼っているバヌさんは、今回の一匹を含め行き場を失くした多くの犬を全て引き取ることは不可能だ。
しかし、犬たちのためにオアシスとなる場所を提供してあげることはできる。
バヌさんは、このように話している。
犬は人間の思いを感じることができます。助けを求める犬たちを私たちは救ってやる必要があるでしょう。
私たちは、動物や自然を愛し、尊敬することを子供たちに教えて行かなければなりません。そうすれば、きっと世界はもっと美しくなるでしょう。
トルコは猫だけでなく犬のこともきちんと面倒を見てくれる人も多いようだ。
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