2019年6月3日月曜日

部屋が寒いと女性の認知能力が低下

部屋が寒いと女性の認知能力が低下、生産性にも影響を及ぼす可能性(米・独研究)
iStock-1044874324_e
AntonioGuillem/iStock

 オフィスなど、他人と共有するスペースでは「寒がり」「暑がり」の人が混在し、特にエアコンを必要とする季節には、その温度調節でバトルが勃発してしまうこともあり得るだろう。

しかし、温度調節バトルの理由は単に自分にとっての「快適さ」だけを求めただけのものではなかったようだ。

 今回の新たな研究では、部屋の温度が人々の生産性や認知的スイートスポットに影響を与え、しかもそれは男女間で大きく異なることがわかった。

 私を含め、寒がりな女性は多いが、部屋が寒いと女性の認知能力が低下するという。 

部屋の温度が、男女の認知能力にどのような影響を与えるのか実験

 女性は一般的に暖かい部屋を好むと言われているが、ほとんどのオフィスビルは体重70kgの40歳前後の男性の代謝に基づいて、数年前の方式で温度調節をしているという。

 夏のオフィスでは、「エアコンが効きすぎていて寒い」という声は女性からよくあがる。

 今回、研究者たちは543人の大学生の集団テストを実施し、男女それぞれの学生に16℃~32℃の間に設定されたエアコンで冷えた部屋、または暖房が入った部屋のいずれかで、論理的な問題や数学、言語についての問題を解いてもらうことにした。

 その結果、論理課題の成績は全体的に温度変化の影響を受けにくいことがわかった。一方、数学的課題や言語パズルでは、暖かい部屋にいた女子学生の方が労力のパフォーマンス率が向上したことが判明した。

女性は男性よりも温度による影響を受けやすい


 今回の研究では、女性のほうが男性よりも室温に対し明らかに影響を受けることが明らかとなった。例えば、単に室温が1℃上昇するだけで、女子学生の数学の成績が2%近く向上したのだ。

 女性のパフォーマンスの向上は、作業の増加(多くの答えを出すこと)によって促進されていることを示す部分的証拠になったともいえる。

 一方、男子学生には女性とは正反対の結果が見られた。男性の労力パフォーマンスは、室内の温度が上がることで、目に見える努力が減少する傾向にあったようだ。

 全体の結果として、暖かい部屋での女性の労働パフォーマンスの向上は、その後に行われた男性のパフォーマンスの低下よりも著しく大きいことが判明した。これは、女性のほうが男性よりも温度には敏感であることを示唆している。

iStock-1070869052_e

さらなる研究が必要だが、部屋の温度は少し上げたほうがベター

 今回の研究にあたっては、部屋の温度が心地よさだけではなく、認知能力と生産性に関わっていることが示唆された。

 ただしこの種の研究は過去の実験例が少ない。
 研究者たちは次のように報告している。


体温と認知能力に関する過去の文献は複雑で、今回の研究は全体像のほんの一例に過ぎません。そのため、今後は実際のオフィス環境で実験するなど、大規模に調査を行うなどして更なる検証が必要です。

ただ、今回の実験結果から言うと、雇用者がオフィスで生産性を最大化したいのであれば、部屋の温度を少し上げるべきでしょう。

 なお、この研究はサイト『PLOS ONE』で発表された。

0 件のコメント:

コメントを投稿

注目の投稿

生きる喜びを・・・: 「ラブラブ度」

生きる喜びを・・・: 「ラブラブ度」 : 【心理テスト】花火でわかる! 彼氏とあなたの「ラブラブ度」 夏の風物詩といえば「花火」! 今回の心理テストでは、花火大会の会場に着いたタイミングで、あなたと彼氏の「ラブラブ度」を診断します。 ...