image credit:Facebook
「生みの親より育ての親」という言葉がある。生んだ親よりも、自分のそばで自分の世話をしてくれた親の方が愛情や恩を感じるという意味だ。
台湾の屏東家族センターにて、29歳の女性リンさんが20年ぶりに育ての親と再会した。リンさんがまだまだ幼いころ、チャン・ホンチーさんとグォ・ジンジンさんがリンさんの里親に立候補し、引き取ってくれたという。
深い愛情を注いでくれ、我が子のようにかわいがってくれた2人にリンさんも親としての愛情を持つようになった。
しかし間もなく思わぬ別れがやってくる。生みの母親が突然、リンさんをもう一度引き取りたいと名乗ったのだ。
やさしくしてくれた里親夫妻との出会い、そして突然の別れ
里親の2人のもと、親子の愛情を学びつつあったリンさんだったが、運命のいたずらで再度生みの母親のもとに引き取られることとなった。
信頼できる人をやっと見つけたのに再度引き離される、その不安はきっと言葉にできないものがあったろう。
「今まで何度かつらいことがありました。あの人たちの家で過ごしていたらどうだったろう、と考えることもよくありました。」とリンさんは語る。
リンさんの中で、チャンさんとグォさんのもとで過ごした思い出は大切な宝物としてずっと残り続けていたのだ。
リンさんがつらい時、悲しい時は、育ててくれた2人のくれた無条件の愛情の思い出が心の支えになってくれたという。
もう一度育ての親に会いたい!20年後の再会
そして別れから20年、リンさんは立派な大人になった。リンさんはあの時思いを伝えられなかったやさしい育ての親にもう一度会う決心をした。
何人かのボランティアの人々の助けもあり、何とか育ての親の消息を辿ることに成功。
そして再会の時。リンさんは思わず膝をついて泣き出してしまった。
「あの時私のことを引き取ってくれてありがとうございました。」というのが精いっぱいだったという。
育ての両親はリンさんの写真をずっと大切に持っていた
リンさんを驚かせたのは、里親の2人は今もまだ幼いころのリンさんの写真を持っていたということだ。育ての親の2人にとってもリンさんは我が子のようにかわいく、その後が気になる存在だったのだろう。
3人は思い出の場所を散歩し、家族だったころの思い出を語り合った。育ての父さんが焼いてくれたおいしいお菓子のことや、裏庭にあったレモンの木など懐かしい話題は尽きなかったという。
「あの子はフルートを吹くのが好きでしたね。あと甘えん坊だったことも忘れてませんよ。」とチャンさんは語る。
リンさんは今も楽器の演奏が大好きだという。この家庭で過ごした時間は長くはないかもしれないが、ここでの幸せな記憶は確実にリンさんの中に根付いているのだ。
血がつながっているかいないか、それが家族の本質ではないということだろう。その証拠に、リンさんと里親夫妻の間には時を超え、今も互いを思いやるやさしい愛情が流れている。
「ずっとずっとお二人に再会するのが私の夢でした。いつも二人の事を思い出していました。ここのもう一度来ることを夢に見たりもしました。二人を見つけられてよかった。夢がかなったんですね。」とリンさんはコメントしている。
0 件のコメント:
コメントを投稿